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「こんなに必死に指示してるのに!」
「こんなに作戦書書いたのに!」

なのに何故か伝わらない「やりたいこと」

今回のシリーズは、そんな「やりたいこと」が何故できないか、
どうすればできるか、そんな事に触れていく記事です。

3.共通認識

例えばこんなシーンを見たことはありませんか?

・バリケード前、非常に優勢なシーン

総指揮 : ボルケーノでバリケード破壊支援して
教授 : ボルケーノ張るからオブジェクト止めて
WIZ : 自陣魔法止めてー
クラウン : (2PC、ブラギを止めない)
教授 : オブジェクト止めてー!
クラウン : (自分の事だと気づいていない)

おそらくこの指示は立ち消えとなり、WIZは勝手に自陣への魔法を再開することと思います。

もっとも、この例はそんなに致命的な問題にはなりませんが、これが戦術に大きく関わる指示(例えばLPと協奏)だったら、きっと目も当てられない結果になった事でしょう。


今回出てくる用語についての解説。

アンチユニット:
・DEX>INTWIZに対する教授
・教授に対するDEX>VITWIZ
・LKに対するチェイサー

など、特定のユニット(≠職業)に対して有効なユニットを指す。
相手の主力に対して上手に運用できればできるほど、相対戦力は増加する。
使われる方からすると非常にいやらしい。not はしたない

また、上記の例にある通り、必ずしも同じ職業に対して常に優位になれるわけではない。


この指揮者、作戦担当者が知らなければならない事が二つあります。


まず、殆どの人間は、「記憶に無いモノ」をイメージできない、という点です。

人間が頭に描くことができるイメージは、殆どが記憶の継ぎ接ぎ、で出来ているそうです。
イメージできないということは、再現できないという事でもあります。

どんなに熱心に説明しても、説明された人が、それを達成するのに「何をすればよいか」をイメージすることができなければ行動には反映されないのです。

指揮者、作戦担当者は当然、「理想通りの作戦」、「理想通りの動き」を自分の中に持っていることでしょう。

この例では指揮者の言葉はたった1行ですが、その言葉の裏には

・ボルケーノでMSのダメージを底上げする指示を出す
・ブラギを一時停止する
・自陣SGなどを停止する
・その間を縫って教授がボルケーノを展開する
・ブラギを再開する
・自陣SGを再開する

と、実に数多くのプロセスが存在しています。たったの1行が、なんと6つものプロセスを表す言葉となっているのです。

でもその実行イメージは、あくまでも指揮者の頭の中にしかありません。
上記の例でも、実行する人がこの流れをイメージできなければ、どんなに指示を出されても、自分が「何をすればよいか」を正確に再現することはできないでしょう。



次に、人間は「自分にとっての常識」で判断してしまう、という点です。

この総指揮、教授にとっては、「ボルケーノは他のオブジェクトが展開されている場所には出ない」というのは常識だったのかもしれません。

しかし、この例に出てくるボルケーノは、同じ職業の同じ地面設置系であるランドプロテクターと混同されている事が多く、

・LPはブラギで消えないからボルケーノも関係ない
・ブラギはLPで消えないから、オブジェクト型ではない

と思っている人すらいるのではないでしょうか?

常識」というものは、その人の経験や嗜好に非常に左右されます。
そんな不安定な「常識」を基準に指示を出しても、実戦の中で真の意図が伝わるとは限りません。
しかも大抵マーフィーの法則で、重大な場面で、大事な事ほど伝わらなかったり。

本当に必要なのは「常識」ではなく、話し手と受け手の間で確かに伝わる「共通の認識」なのです。



そこで登場するのが、プロトタイピング公開実験です。


プロトタイピングとは、試作品を作り、それを見せることで他の人間にイメージを分け与える手法です。

先に書いたとおり、人間が記憶に無いモノをイメージできないなら、それを伝えるのに一番手っ取り早い方法は「実演して見せる」事です。
そして、人間の記憶に一番残りやすいのも、「目から入ってきた情報」とされています。
(受験生の頃によく言われませんでした?)

たとえ、今まで誰も見たことが無い、新しい設計のキャラクターだとしても、イメージできている「考案者」が試作品を動かして見せる事で、後続の「育成者」にイメージを伝える事はできます。

アンチユニットに転向した人がいきなり良い動きをするのはまさにこれと同じ理屈で、「相手が何をされたら嫌か」を、自分に置き換えて容易にイメージできているからなのです。
普段、自分にとって嫌だった人が「実演者」となっているわけですね。

逆に言えば、殆ど対人戦で使ったことが無いキャラクターだったとしても、どんな動きをすればよいかさえイメージできれば、それなりの成果を見込めるということです。


公開実験は、手順を追って説明することで、複数の人間にその理屈を伝える事ができます。

「どうしてそうなるのか」という理屈を伝える事は、状況対応に大きく寄与します。
基礎の理屈を知らない人間が、応用である状況対応を行う事はできません。

「なぜやってはいけないか」という理屈を伝える事は、現場指揮に大きく寄与します。
失敗の原因となっている人間を素早く特定するのに役立つからです。

この公開実験は特に共通の認識を作りやすく、例えば「あの時実験した~の作戦ね!」で通じてしまう事もある、非常に便利な要素です。



全体が一つの意志に沿って動くためには、総指揮者があらゆる手段を駆使して、
「共通の認識」を作ってやる必要があります。

一方で、伝えなければならない人数が増えれば増えるほど、「常識」はより不安定なものとなり、「共通の認識」のハードルは高くなります。

実戦では、たった一つの伝わらなかった「常識」が戦術の中核を台無しにすることすらあります。「あの時あれが成功していれば・・・」という経験は、長く指揮をしている人には必ずあることでしょう。

その時、果たしてあなたは「共通の認識」を作る努力をしていたでしょうか?


ま、訓練するにこしたことはないけどね。 ―― カノン・ヒルベルト
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